実家の片付け費用で損しない!料金相場・実家じまいを安くする裏ワザ・相続手続きの落とし穴の全知識!
「実家の片付け見積もりが50万円を超えた…。これってぼったくり?」「親の預金から費用を出していいの?兄弟でどう分担すべき?」
親が施設に入居したり、亡くなったりした際に直面する実家の片付け。多くの人にとって初めての経験であり、数十万円単位の費用におののき、精神的にも追いつめられてしまうケースが後を絶ちません。
しかし、現場を数多く見てきた私から言わせれば、知識がないまま焦って業者に依頼し、相場より高く支払うだけでなく、その後の「家の売却」や「相続」で損をしている人があまりに多いのが現実です。
この記事では、単なる料金表だけでなく、業者が原価計算に使う「立米(りゅうべい)」のロジックから、親の口座凍結前にやっておくべき資金対策、不動産売却を見越した「投資としての片付け」戦略まで、プロしか知らない情報を公開します。
この記事のポイントは?
ズバリいくら?実家の片付け費用相場

ネット上の「3LDKで20万円〜」という広告を信じてはいけません。現場では、同じ間取りでも「20万円で終わる家」と「100万円かかる家」には明確な違いがあります。
なぜそこまで差が出るのか。業者が電卓を叩くときに頭の中で描いている本当の計算式を公開します。
間取りではなく立米が費用の正体
プロは部屋の広さよりも、そこにある荷物の体積(立米)を見ます。1立米(リューベイ)とは、1m×1m×1mの立方体の大きさです。
- 基本単価の目安(処分費+作業費): 1立米あたり 10,000円 〜 18,000円
例えば、6畳の部屋(約10平米)で、天井の高さの半分(約1.2m)まで荷物が埋まっている場合、計算上の体積は約12立米です。これだけで12万円〜20万円の原価が見えてきます。
【保存版】間取り×荷物量別 リアルな費用相場表
「生活感が残ったままの状態(家財全撤去)」を想定した、現場感のある相場です。
| 間取り | 荷物量(立米) | 費用相場(中央値) | 作業人員・日数 |
|---|---|---|---|
| 1K・1R | 3〜8 | 5万 〜 10万円 | 2名・半日 |
| 2DK・2LDK | 10〜20 | 12万 〜 30万円 | 3名・1日 |
| 3LDK・4DK | 25〜45 | 25万 〜 60万円 | 4〜6名・1〜2日 |
| 4LDK以上 | 50〜 | 45万 〜 100万円超 | 6名以上・2日〜 |
見積もり金額がこの範囲を超えて高い場合、または極端に安い(例:3LDKで10万円)場合は、「立米単価はおいくらで計算されていますか?」と質問してください。これだけで業者は「この客、詳しいな」と襟を正します。
料金を跳ね上げる特殊要因
以下の条件に当てはまる場合、追加料金(オプション費)が発生します。
| 追加料金項目 | 具体例 |
|---|---|
| 搬出環境(横持ち・階段) | トラックを玄関前に停められず50m歩く(横持ち)、エレベーター無しの4階などは作業員増員のため数万円アップ |
| 混載ゴミ(分別の手間) | 生ゴミ、液体、スプレー缶、小銭などが衣類と混ざっている場合、全て手作業で仕分ける必要があるため人件費が高騰 |
| 特殊重量物・危険物 | ピアノ、金庫、消火器、コンクリートブロック、庭石などは通常の処分ルートに乗せられないため別途処理費 |
| 消臭・特殊清掃 | 長期間放置された食品による腐敗臭や孤独死現場などの場合、オゾン脱臭機などを使用するため、通常の片付けとは別費用 |
仏壇・神棚の処分
仏壇は閉眼供養(魂抜き)を行います。お寺さんに来てもらい、お経をあげてもらうことで、仏壇をただの「木の箱」に戻します。
その後は粗大ゴミとして処分しても、業者に引き取ってもらっても問題ありません。
遺品整理業者の中には、提携寺院での合同供養(お焚き上げ)をオプションで提供しているところが多いです(費用目安:1点あたり5,000円〜数万円)。
自分でやるvs業者に頼む実家の片付け損益分岐点は?

「時間はあるから自分たちでやりたい」という方も多いですが、実家の片付けは「引越し」とはわけが違います。40年分の生活の蓄積(数トン〜10トン)を動かす作業です。
自力片付けの見えないコストを試算する
業者依頼なら50万円かかるところを、自力でやれば実費(ゴミ処理券やレンタカー代)の10万円程度で済むかもしれません。しかし、差額の40万円を浮かすために失うものを計算に入れていますか?
- 時間コスト:
- 健康リスク:
- 交通費・ガソリン代:
毎週末2人で通い、半年かかるとしたら「延べ48日」の時間が失われます。あなたの休日の価値を日当換算してみてください。さらに、実家までの往復高速代×回数で、意外と高額になります。
また、長年の埃(ハウスダスト・カビ)によるアレルギー発症、重量物搬出による腰痛・怪我のリスクもあります。通院費がかかれば本末転倒です。
プロに任せるべき撤退ライン
以下の条件に2つ以上当てはまるなら、自力での完遂は困難です。悪いことは言いません、業者に依頼してください。
- 実家まで片道1.5時間以上かかる
- トラック(2トン車)を運転できない、身内にもいない
- 戸建てで、2階にタンスやベッドがある
- 7月〜9月の夏場である
- 相続税申告期限(10ヶ月)まで残り3ヶ月を切っている。
軽トラでは往復回数が多すぎて心が折れます。また、エアコンが効かない空き家での作業は、熱中症リスクが極めて高いのでやめましょう。
実家の片付け費用を安く抑える交渉術と裏ワザ

見積もり金額は「定価」ではありません。こちらの準備と交渉次第で、10%〜30%のダウンは十分に可能です。
【最強】相見積もりで競わせる
最低3社、できれば「地元の遺品整理業者」「大手不用品回収業者」「便利屋」など異なるタイプの業者を呼びましょう。
- 交渉トーク:「A社さんは〇〇円でしたが、御社はこの作業内容でどこまで調整可能ですか?」
ただし、安すぎる業者は不法投棄リスクがあるため、金額だけでなく「処分方法」も確認してください。
買取と処分の相殺を狙う
最近のトレンドは買取に強い片付け業者です。彼らは日本国内ではゴミになるような「古いタンス」「贈答品の食器」「農機具」「オーディオ」「釣り具」などを東南アジアなどの海外販路へ輸出しています。
見積もりの際、「これ、買取やお値段がつかなくても無料引き取りできませんか?」と食い下がってみてください。処分費が減るだけで数万円の節約になります。
自治体の一時多量ゴミ持ち込み制度を活用する
もし人手があるなら、家の中のゴミを「可燃」「不燃」「粗大」に分別し、自治体のクリーンセンター(清掃工場)へ直接持ち込んでください。
業者に頼めば1kgあたり50円〜100円の処分費が、自治体持ち込みなら1kgあたり10円〜20円、あるいは無料になる地域もあります。トラック1台分運ぶだけで数万円浮きます。
魔法の言葉「日程はお任せします」
片付け業者にとって一番痛いのは「人やトラックが余っている日」です。
- 交渉トーク:「急ぎではないので、来月中で御社のトラックが空いている日や、近くの現場のついでに来れる日など、一番安くなる日程で組んでいただけませんか?」
これで閑散期価格やスポット価格を引き出せる可能性が高まります。
行政の補助金チェックは必須
空き家対策特別措置法の施行に伴い、自治体が片付け費用を補助するケースが増えています。
- 検索ワード:「〇〇市(実家の地域) 空き家 家財処分 補助金」「〇〇市 生前整理 助成金」
上限10万円〜20万円程度補助されることが多いです。必ず「契約前(着手前)」に申請が必要です。
誰がいつ払う?実家じまい費用負担

片付けの実務と同じくらい揉めるのが「お金」の話です。ここをおろそかにすると、後で親族間トラブルや税務署とのトラブルに発展します。
親の預金から費用を出してもいいのか?
原則:親が存命ならOK、亡くなった後は要注意。
親が存命(施設入居時など)であれば、親の同意のもと、親の預金から支払うのが最もスムーズです。この場合、片付けは「親のため(本人の利益)」に行われるため、贈与税等の問題も起きにくいです。
親が亡くなった後の遺産整理となった場合は、少し複雑です。口座が凍結されている場合、葬儀費用と同様に、相続人全員の合意があれば、仮払い制度などを利用して引き出すことは可能です。
ただし、実家の家財を勝手に処分したり売却したりすると、法的に「単純承認(相続することを認めた)」とみなされます。もし親に多額の借金があった場合、「相続放棄」ができなくなるリスクがあります。
借金の有無が不明な場合は、必ず司法書士や弁護士に相談してから片付けに着手してください。
兄弟間で費用をどう分担するか
よくあるトラブルは、「長男なんだから全部やってよ」「私は嫁いだ身だから関係ない」という押し付け合いです。
あくまで「一般的」ですが、以下のような方針を取られる方が多いです。
- 実家の不動産を相続する人が負担する
- 実家の売却益から精算する
不動産という資産をもらう人が、その維持管理コスト(片付け費用)も払うのが最も公平感があります。または、実家を売却する場合は、一旦誰かが立て替え、実家が売れた代金から片付け費用と立て替え手数料を引いて残りを分配する方法もよく取られます。
片付けたその後の実家の不動産価値を考えていますか?

片付け費用は捨て銭ではありません。実家の資産価値を高めるための投資です。
空き家の3,000万円特別控除の適用条件
相続した空き家を売却した利益から、最大3,000万円を控除できる特例(税金が約600万円安くなる可能性)があります。
この適用条件の多くは以下です。
- 家屋を取り壊して更地にする
- 耐震基準を満たすリフォームをする
いずれにせよ、家の中の荷物は全て空にする必要があります。
片付けを先延ばしにして、特例の期限(相続開始から3年目の年末まで)を過ぎてしまうと、数百万円の大損になります。
「更地渡し」か「古家付き売却」か
以下のどちらにするにせよ、家の中に「残置物(ゴミ)」があると、解体費用が見積もれなかったり、不動産会社が査定を嫌がったりします。
- 古家付き売却(現状渡し): 片付け費用だけで済む。買い手がリノベ前提ならこれでOK。
- 更地渡し(解体): 解体費用(100万〜200万円以上)がかかるが、買い手がつきやすい。
「まずは荷物をなくす」ことが、実家の出口戦略のスタートラインです。
トラブル回避!悪徳業者を排除する費用見積の鉄則

最後に、業者とのトラブルを未然に防ぐためのチェックポイントを提示します。
見積書に「一式」があったら即アウト
見積書に「作業一式 30万円」としか書かれていない場合は危険信号です。 優良業者の見積書には、以下のような内訳が記載されます。
- 分別・梱包作業費(人件費)
- 搬出作業費
- 車両費(2tトラック〇台分)
- 廃棄物処分費(立米単価またはkg単価)
- 家電リサイクル料
内訳がないと、後で「思ったより荷物が多かった」と言われて追加請求された際に反論できません。
契約書に「追加請求なし」の一文を入れる
作業当日に追加料金が発生しないよう、見積もり時または契約時に「当日の荷物量増加がない限り、追加料金は発生しないことを約束してください」と確認し、可能であれば書面やメールなどの記録に残してもらいましょう。
真っ当な業者であれば、見積もりの精度に自信があるため、快く応じてくれるはずです。
許認可の確認(不法投棄リスク回避)
家庭の不用品を回収・処分するには、以下のいずれかが必要です。
- 一般廃棄物収集運搬業許可(取得が極めて難しい、いわゆる「一廃(いっぱい)」)
- または、上記許可を持つ業者との提携
ホームページの会社概要を見て、「産業廃棄物収集運搬業許可」しか記載がない業者は、家庭ゴミ(一般廃棄物)を運ぶことは法的にグレー、あるいはアウトです。
「一般廃棄物の許可はお持ちですか?または提携業者が来ますか?」と質問し、明確に答えられない業者は避けてください。
まとめ
実家の片付けは、単なるゴミ捨てではありません。
過去の思い出に整理をつけ、空き家リスクという負債を断ち切り、不動産という資産に変える。そして何より、あなた自身の心の平穏を取り戻すための前向きなプロジェクトです。
費用は「立米(量)」と「手間」で決まります。相見積もり、買取相殺、自治体持ち込み、日程調整を駆使してコストダウンを目指しましょう。
一人で抱え込まず、まずは地域の優良業者に見積もりを依頼してみてください。プロが家に入り、具体的な金額と工程が出るだけで、「終わりのないトンネル」に出口の光が見えるはずです。
あなたの実家じまいが、納得のいく形で無事に完了することを応援しています。
よくある質問
権利書や通帳が見当たらないのですが、業者は見つけてくれますか?
はい、それが「遺品整理業者」の腕の見せ所です。 単なる不用品回収業者との最大の違いはここにあります。遺品整理士などの資格を持つ業者は、タンスの裏、本のページの間、畳の下など、貴重品が隠されがちな場所を熟知しており、全ての荷物を検品しながら仕分けます。「捜索願い」としてリストを渡しておけば、作業中に発見して確保してくれます。
仏壇や遺影、人形などはゴミとして捨ててもバチが当たりませんか?
気持ちの問題を解決する「合同供養」を利用しましょう。 法的に言えば一般廃棄物ですが、心情的には捨てにくいものです。多くの業者が提携寺院での「合同供養」オプション(数千円〜数万円)を用意しています。「お焚き上げ」を行い、供養証明書を発行してくれる業者に依頼すれば、罪悪感なく手放すことができます。
実家が「ゴミ屋敷」状態ですが、引き受けてもらえますか?
もちろんです。むしろプロが最も必要とされるケースです。 足の踏み場もない、害虫が発生している、異臭がするといった現場こそ、特殊清掃のノウハウを持つ業者の出番です。ただし、この場合は通常の片付け相場よりも高くなる(特殊作業費、消臭費など)ため、必ず現地見積もりを行い、作業工程を確認してください。近隣にバレないように作業してほしい等の要望も相談可能です。
